肩こり

■ 肩こりとは

 「肩こり」とは、頸部から肩甲骨周囲にかけて筋肉がこわばったような、重苦しいような不快感を指す症候です。

■ 肩こりの分類

 肩こりは、3つに大別することができ、明らかな原因疾患が認められない「本態性肩こり」、頸部、肩など周辺の疾患に由来する「症候性肩こり」、ストレスなどが原因である「心因性肩こり」とされています。

■ 肩こりの成因

1. 筋肉疲労による肩こり

 「本態性肩こり」で、肩こりの成因として最も多い。頸部や肩甲骨周囲筋に常に頭部および上肢を支えるための負荷が加わっていることよって生じます。筋緊張亢進は、筋緊張亢進→筋肉内循環障害→代謝産物の蓄積→筋への刺激→筋緊張亢進→…といった肩こりの悪循環を生じます

2. 頸部、肩、胸郭部疾患による肩こり

 「症候性肩こり」で、頸部、肩、胸郭部の疾患には、頚椎症、頸髄症、後縦靱帯骨化症、頚椎椎間板ヘルニア、五十肩、腱板断裂、胸郭出口症候群などがあります。

3. 関連痛による肩こり

 「症候性肩こり」で、肺疾患、心疾患、胆疾患、耳鼻科疾患、眼科疾患などがあります。

4. 心因による肩こり

 「心因性肩こり」で、ストレス、精神的緊張、心理的葛藤によるものなどがあります。

■ 鍼灸治療

1. 現代医学的な鍼灸治療

 本態性肩こりでは筋緊張の亢進した筋を対象に筋緊張緩解を目的とした刺鍼を行います。

2. 東洋医学的な鍼灸治療

 肩こりの存在する筋肉を通る経絡を同定して、その経絡に所属する経穴へ施術することで経絡の疏通をはかります。また、体質に応じた調整を行います。