食欲不振

■ 食欲不振の成因

 食欲不振は、大きくは内科疾患と、精神疾患に分けて考えることができます。内科疾患のうち、特に食欲に影響しやすいのは消化器疾患で、そのほか内分泌疾患や感染症、呼吸器疾患などにおいても食欲不振を訴える場合があります
 一方、精神神経疾患で食欲不振をきたすものとしては、拒食症、うつ病、神経症などがあります。

食欲不振には東洋医学のアプローチが有効です。

■ 東洋医学からみた食欲不振

1. 肝脾(胃)不和の食欲不振

 精神的ストレスなどにより情志が失調し、肝気が鬱結して疏泄がうまくゆかず肝気が横逆して脾胃を攻めた結果、食欲不振となります。

2. 脾胃湿熱の食欲不振

 過度の飲酒や甘いものの摂取過多など、飲食の不摂生により湿熱が中焦に蓄積して、脾胃の機能が失調して食欲不振が起こります。

3. 胃陰虚の食欲不振

 肝鬱化火(肝気が高ぶり、熱に転じた状態)や久病(慢性病)によって胃陰を損傷するために食欲不振が起こります。

4. 脾胃気虚の食欲不振

 飲食の不摂生や、労倦により脾胃の気が損傷されて食欲不振が起こります。不良な生活習慣によるものです。

5. 脾胃陽虚の食欲不振

 脾気の損傷が長期にわたった場合には、中焦に虚寒や水湿を生じて食欲不振が起こります。

6. 食滞による食欲不振

 暴飲暴食などにより、中焦に食物が停滞するために食欲不振が起こります。

■ 東洋医学的な鍼灸治療

 上に挙げた証候に応じて適切な治療を行ないます。