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■ 頭痛とは
頭痛とは、頭部に感じる痛みの総称で、表在性の痛みを除いたものと定義されています。ここでは鍼灸治療の対象になりやすい片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などについて載せていきます。
■ 頭痛に対する鍼灸治療
1. 治療対象
緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛が対象になりやすく、中でも緊張型頭痛は取り扱う頻度も高く、その効果も期待できます。一方偏頭痛は主に発作期よりも寛解期における予防効果を目的とした治療が中心となります。群発頭痛は発症機序が片頭痛と異なりますが、その鍼灸治療は発作期を除き、片頭痛とほぼ同様に行います。
2. 現代医学的な鍼灸治療
1) 緊張型頭痛
主に後頸部や肩甲上部・肩甲間部の筋群の過緊張を緩和する治療を行います。
2) 片頭痛・群発頭痛
頭痛が最も発症しやすい側頭部の側頭筋や、三叉神経へのアプローチ、循環系、自律神経機能を調整する治療を行います。
3. 東洋医学的な鍼灸治療
1) 外感性頭痛
生活の不注意などにより特に風の外邪が身体・頭部に侵入したため、気血の流れが悪くなり頭痛が起こります。よって風の外邪を散らす治療をします。
2) 内傷性頭痛
①気虚の頭痛
脾胃の気虚を補い、気血の産生を促します。
②血虚の頭痛
血が不足して発症することから、脾胃の機能を高めて血の産生を促します。
③血瘀の頭痛
血の阻滞、瘀血病態の改善を図ります。
④痰濁の頭痛
湿熱を除き、清陽が脳をめぐるようにします。
3) 肝陽上亢の頭痛
抑うつや怒りで肝火が高ぶった場合は肝火を抑えるようにし、腎虚から肝陰虚を招いて肝陽が高ぶった場合には肝腎を補います。