証(しょう)

 証とは証候しょうこうのことで、疾病に現れる多くの症状を統合したもの、もしくは疾病の病因・病位・性質・正邪の盛衰を概括がいかつしたものです。証によって治療方針や処方が変わります

有名なものに「八綱弁証はっこうべんしょう」があります。

■ 八綱弁証

 「八綱」とはいんようひょうかんねつきょじつの8種類の証候を指します。「弁証」とは証候を弁別あるいは識別することで、陰陽・表裏・寒熱・虚実の8種類の大綱を運用して、証候の弁別・識別を行なっていく臨床上の方法論を「八綱弁証」といいます。

 中医学の臨床では、八綱弁証のほかにも、さまざまな弁証方法が用いられます。例えば、臓腑ぞうふ弁証・六経ろっけい弁証・衛気営血えきえいけつ弁証・三焦さんしょう弁証・経絡けいらく弁証・気血津液きけつしんえき弁証などがあります。
 そして、それら各弁証方法を包括する、最も総合的な弁証が八綱弁証といわれています。