五行(ごぎょう)

■ 五行とは

 五行学説では、すべての事物は木・火・土・金・水という5種類の物質の運動と変化によって生成すると考えてられています。
 五行を分類する木・火・土・金・水という言葉は、事物の性質・特徴を象徴的に表したものです。

五行性質と特徴
曲直きょくちょく昇発しょうはつ条達じょうたつ、伸びやか
炎上えんじょう…温熱、上昇
稼穡かしょく…生化、受納
従革じゅうかく…粛清、変革、収斂しゅうれん
潤下じゅんか…寒涼、滋潤、下行

五行分類表

五行
五季長夏
五方中央西
五気湿
五色
五味
五化
五臓
五腑小腸大腸膀胱
五体
五官
五液
五華
五志

五行学説では、五行に以下の関係性があると説明しています。

■ 五行の関係性

1 五行の相生そうせい相克そうこく

 相生とは相互生産・相互助長のこと、相克とは相互制約・相互抑制のことです。事物の間には相生相克の関係が存在し、これによって自然界の生態バランスと人体の生理的バランスが維持されていると考えられています。
 相生の順序は、木生火・火生土・土生金・金生水・水生木で、これが無限に循環します。
 相克の順序は木克土・土克水・水克火・火克金・金克木で、これが無限に循環します。

2 五行の相乗そうじょう相侮そうぶ

 五行の相乗相侮は、五行の相克関係のなかで現れる異常現象のことです。
 相乗:乗とは、虚に乗じて侵襲することで、強者が弱者を凌駕すること。相乗を形成する原因に、1つには「勝てない」ものが偏亢すること、1つには「勝てる」ものが偏衰することがあります。この2つは共に相克の過剰すなわち相乗を生じます。
 相侮:侮とは、侮ることで、相克の関係が逆になることです。相侮を形成する原因に、1つには「勝てない」ものが偏衰すること、1つには「勝てる」ものが偏亢することがあります。