■ 難聴とは

 難聴とは何らかの原因で聴力が正常より低下し、音の聞こえが悪くなった状態のことです。

■ 難聴の成因と分類

1. 難聴の成因

 外耳・中耳の伝音機構の障害、あるいは内耳から蝸牛神経・中枢経路・側頭葉皮質の障害により難聴が発生します。

2. 障害部位による難聴の分類

1) 伝音性難聴
 外耳・中耳の伝音機構に障害があり、聴力が低下する難聴です。

2) 感音性難聴
 内耳から蝸牛神経・中枢経路の障害により、聴力が低下する難聴です。感音性難聴は、内耳性難聴と、後迷路性難聴とに分けられ、後迷路性難聴は末梢神経性難聴と中枢性難聴の分類されます。

3) 混合性難聴
 伝音機構、感音機構の両方が同時に障害された難聴です。

4) 機能性難聴
 器質性の障害によるとは考えられない聞こえの障害をいい、これには心因性難聴、詐聴(聞こえの程度を故意に悪く装う状態)が入ります。顎関節症、頚椎症、肩こり、鼻咽腔炎で発症します。

■ 鍼灸治療の対象

 突発性難聴は、発症後1週間が勝負といわれ、1週間以内に内耳血流が正常に回復すれば聴力の回復も望めますが、それ以降も回復が期待できない場合、聴力障害が残存します。一度壊死した聴神経細胞は現在の医療では再生することができません。
 耳鼻咽喉科受診後、難聴、耳鳴、耳閉感に対して鍼灸治療を希望し来院する場合が多く、対象となる疾患は、メニエール病、耳管狭窄症で、伝音系の難聴になります。