経絡(けいらく)

■ 経絡とは

 経は経脈けいみゃく、絡は絡脈らくみゃくのことで、合わせて経絡と呼びます。

 身体の内(五臓六腑)と外(外部環境)を結ぶルートであり、身体を維持するや病の原因である邪気じゃきが移動すると考えられています。
 経絡が人体の内外を網のように連絡することで、全身に気血を巡らせ、身体を養い、規則正しい生理活動を維持することができます。
 気血が経絡中で停滞(気滞きたい血瘀けつお)や過不足(気虚ききょ血虚けっきょ)などの異常な状態になると体に変調が起こり、その反応が経絡に現れます。その反応によって病態を予測・把握し経絡を通じて治療を施すことができます。

① 経脈けいみゃく

人体を縦方向に走行しているルートです。
経脈には、正経十二経脈奇経八脈があります。

 ・正経十二経脈せいけいじゅうにけいみゃく

 臓腑と連絡し、臓腑に気血を巡らせることで正常に機能します。
以下の12の経脈があります。

  1  手の太陰たいいん肺経 (11)
  2  手の陽明ようめい大腸経(20)
  3  足の陽明胃経 (45)
  4  足の太陰脾経 (21)
  5  手の少陰しょういん心経 (7)
  6  手の太陽たいよう小腸経(19)
  7  足の太陽膀胱経(67)
  8  足の少陰腎経 (27)
  9  手の厥陰心包けついんしんぽう経(9)
  10 手の少陽三焦しょうようさんしょう経(23)
  11 足の少陽胆経 (44)
  12 足の厥陰肝経 (14) 

 ()内の数字はその経脈上にある経穴の数を示す。

 また、正経十二経脈に奇経八脈の督脈と任脈を加えたものを十四経脈と呼びます。

 ・奇経八脈きけいはちみゃく

 気血は正経十二経を巡りますが、気血があふれると奇経に流入します。
以下の8の経脈があります。

  1  督脈とくみゃく
  2  任脈にんみゃく
  3  衝脈しょうみゃく
  4  帯脈たいみゃく
  5  陽蹻脈ようきょうみゃく
  6  陰蹻脈いんきょうみゃく
  7  陽維脈よういみゃく
  8  陰維脈いんいみゃく

② 絡脈らくみゃく

絡は「つながる」「からまる」「まとう」を意味することから、経脈と経脈を連絡したり、経脈から分かれ出る細い脈を指します。

大きなものを大絡たいらく1、細く枝分かれして体表を網の目状に覆うものを孫絡そんらくと呼びます。

  1. 15本あり「十五大絡」あるいは「十五絡脈」と呼ばれる。 ↩︎