経絡とは
経は経脈、絡は絡脈のことで、合わせて経絡と呼ぶ。
身体の内(五臓六腑)と外(外部環境)を結ぶルートであり、身体を維持する気血や病の原因である邪気が移動すると考えられている。
経絡が人体の内外を網のように連絡することで、全身に気血を巡らせ、身体を養い、規則正しい生理活動を維持することができる。
気血が経絡中で停滞(気滞、血瘀)や過不足(気虚、血虚)などの異常な状態になると体に変調が起こり、その反応が経絡に現れる。
その反応によって病態を予測・把握し経絡を通じて治療を施すことができる。
経脈
人体を縦方向に走行しているルートのことで、正経十二経脈と奇経八脈がある。
正経十二経脈
臓腑と連絡し、臓腑に気血を巡らせることで正常に機能し、以下の12の経脈がある。
()内の数字はその経脈上にある経穴の数を示す。
- 手の太陰肺経 (11)
- 手の陽明大腸経(20)
- 足の陽明胃経 (45)
- 足の太陰脾経 (21)
- 手の少陰心経 (7)
- 手の太陽小腸経(19)
- 足の太陽膀胱経(67)
- 足の少陰腎経 (27)
- 手の厥陰心包経(9)
- 手の少陽三焦経(23)
- 足の少陽胆経 (44)
- 足の厥陰肝経 (14)
また、正経十二経脈に奇経八脈の督脈と任脈を加えたものを十四経脈と呼ぶ。
奇経八脈
気血は正経十二経を巡るが、気血が充ち溢れると奇経に流入する。
以下の8の経脈がある。
- 督脈
- 任脈
- 衝脈
- 帯脈
- 陽蹻脈
- 陰蹻脈
- 陽維脈
- 陰維脈
絡脈
絡は「つながる」「からまる」「まとう」を意味することから、経脈と経脈を連絡したり、経脈から分かれ出る細い脈を指す。
大きなものを大絡1、細く枝分かれして体表を網の目状に覆うものを孫絡と呼ぶ。
- 15本あり「十五大絡」あるいは「十五絡脈」と呼ばれる。 ↩︎