■ 低血圧とは
血圧が正常よりも低い状態で、一般に収縮期血圧100mmHg以下をいいます。
■ 低血圧をきたす主な疾患の病態と症状の特徴
1. 本態性低血圧
原因不明の低血圧で、女性に多くやせ型で無力性体質に多い、自覚症状は全くないものから、精神神経症状、循環器系症状、消化器症状、全身倦怠感、脱力感などの不定愁訴を訴えるものまで幅広いですが、多くの例では症状がなく、日常生活に支障はありません。症状がみられる場合でも血圧の程度とは必ずしも相関せず、患者の心理状態の関与が大きいとされています。
2. 症候性低血圧(二次性低血圧)
低血圧は、心血管性(重症心疾患、大動脈弁狭窄症、閉塞性肥大型心筋症)、内分泌性(副腎不全、下垂体不全、バーター症候群)、神経性(シャイ・ドレーガー症候群、糖尿病性神経障害、多発性硬化症、頸動脈洞症候群)などの疾患により起こります。
3. 起立性低血圧
立位、特に起立時に血圧が低下し、めまい、立ちくらみなどの症状の生じるものをいいます。一般に寝ている姿勢から立位をとった時の血圧が20〜40mmHg以上低下するものいいます。
その機序として、起立により静脈還流が減少し、心拍出量が減少するために血圧が低下すると考えられています。
■ 鍼灸治療
鍼灸治療の対象は本態性低血圧になります。詳しくは本態性低血圧の項をご参照ください。