■ 三叉神経痛とは
三叉神経痛は、三叉神経の支配領域に発作的に現れる疼痛を主体とする病態の総称です。これには痛みの原因が明確でない突発性三叉神経痛と、腫瘍、炎症などに起因する症候性三叉神経痛とがあります。
■ 突発性三叉神経痛の成因
突発性三叉神経痛の成因についてはこれまで原因不明とされてきましたが、ジャネッタによれば、患者の88%が三叉神経根への上小脳動脈などの血管による圧迫で生じているとし、三叉神経を圧迫している原因血管を神経から離して固定することにより、神経痛を改善できるとし、血管圧迫説を提唱しました。
■ 三叉神経痛の治療
1. 現代医学的な治療
まずは薬物療法(カルバマゼピン1など)が行われる。7〜8割程度の効果があるとされているが、薬物抵抗性を示す場合、神経ブロック、脳手術などが行われる。
神経ブロックは突発性三叉神経痛を中心に行われるが、再発例もあり、治療に抵抗する場合もある。
2. 鍼灸治療
1) 治療対象
突発性三叉神経痛が治療対象となります。
2) 現代医学的な鍼灸治療
三叉神経痛に対しては、神経の興奮性を抑制する目的で三叉神経の患側枝への刺鍼を行います。基本的には神経の傍らに刺鍼するもので、直接、神経に刺鍼するものではありません。
3) 東洋医学的な鍼灸治療
古典では『黄帝内経』に三叉神経痛の発作と思われる「頬痛」の記述があります。
①外気(風、寒)によるもの、②精神的ストレスによるものなどの弁証を立てて治療を行います。
- 抗痙攣薬の一種で精神運動発作の第一選択薬である。作用はGABA神経機能を高めると考えられており、大脳辺縁系の痙攣発作に対して最も強い抑制作用を示す。 ↩︎